韓国ブランドが日本市場調査で確認すべき項目
日本市場調査で見るべきなのは、市場規模だけではありません。韓国ブランドが進出判断に使える調査にするには、「誰が買うか」「何と比較されるか」「いくらなら選ばれるか」「どこで買われるか」「販売前に規制や物流上の問題がないか」を商品単位で確認する必要があります。公開統計で市場全体を把握した後、競合の価格・レビュー・販売チャネルを比較し、最後に小規模な販売テストで仮説を確かめると、調査結果をそのまま出店・予算判断へつなげやすくなります。

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市場規模だけでなく、顧客・競合・価格・販売チャネルを同じ商品単位で見る
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レビューや売り場から、日本で選ばれる理由と購入前の不安を拾う
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机上調査で終わらせず、小規模なEC・卸・POP UPテストで仮説を検証する
市場規模より先に、調査の判断基準を決める
市場調査を始める前に、「この調査で何を決めるのか」を固定します。たとえば、最初に売るSKUを選ぶのか、日本向け上代を決めるのか、EC・卸・POP UPのどこから始めるのかで、集める情報は変わります。目的を決めずに市場規模やトレンドを集めると、情報量は増えても進出判断には使いにくくなります。
経済産業省の令和6年度電子商取引に関する市場調査では、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円、BtoCのEC化率は9.8%でした。こうした公的統計は日本市場全体の大きさや変化を把握する基準になります。ただし、日本のEC市場が大きいことと、自社商品が日本で売れることは別です。マクロデータは入口として使い、その後は商品単位の競合・価格・顧客行動へ絞り込みます。
顧客は年齢だけでなく、購入場面まで見る
「20代女性」のような属性だけでは、商品ページや販路を決める材料として粗すぎます。誰が、どんな場面でその商品を必要とし、何と比較し、どこで情報を探し、どの条件で購入をやめるのかまで仮説を置きます。ファッションなら着用場面やサイズ不安、コスメなら使用目的や成分・使用感、雑貨なら用途や配送条件など、購入判断の論点はカテゴリごとに変わります。
総務省統計局の家計消費状況調査では、ネットショッピングの支出や利用世帯の状況が継続的に公表されています。こうした統計で消費行動の大きな流れを確認したうえで、自社カテゴリについては日本のECモール、検索結果、SNS、店舗、レビューを見て、実際の購入場面まで解像度を上げます。
競合は価格・売り方・レビューを同じ条件で比べる
競合調査では、ブランド名を並べるだけでなく、同じ購入場面で比較される商品を揃えます。韓国ブランドだけを競合にすると、日本の定番ブランド、国内D2C、モール上位商品など、実際に購入者が比較する選択肢を見落としやすくなります。
| 見る項目 | 確認する内容 | 判断に使うこと |
|---|---|---|
| 価格 | 日本上代、送料、割引、セット販売 | 許容価格帯と必要粗利 |
| 商品情報 | サイズ、素材、特徴、使用方法、写真 | ローカライズ不足と訴求軸 |
| レビュー | 高評価理由、不満、返品につながる指摘 | 購入理由と購入障壁 |
| 販売チャネル | 自社EC、モール、実店舗、POP UP | どこで比較・購入されるか |
同じ商品カテゴリでも、販売チャネルが違えば見える競合と購入条件は変わる。
比較結果は「何が違うか」ではなく、「日本で自社商品を選ぶ理由を作れるか」に使います。価格で勝てなくても、デザイン、サイズ、素材、配送、返品、使用説明、レビュー、UGCなど別の判断材料で優位性を作れる場合があります。反対に、説明不足や送料の高さだけで候補から外れる可能性もあります。
販売チャネルごとに、売れ方の違いを確認する
日本での競合状況は、自社EC、Amazon・楽天・Qoo10などのモール、卸先の店舗、POP UPで変わります。モールでは価格やレビューが横並びで比較されやすく、自社ECではブランド理解や指名流入を作る力が必要です。卸では小売店が仕入れたい条件、POP UPでは立地や来場動機が加わります。
市場調査の段階では、すべてのチャネルを詳しく調べる必要はありません。候補を2〜3経路に絞り、競合数、価格帯、レビュー量、売り場の見せ方、販売条件を比較します。その結果から「認知を作る場所」「試してもらう場所」「買ってもらう場所」を分けると、進出初期のチャネル設計がしやすくなります。
規制・物流・利益は市場調査の段階で確認する
需要がありそうでも、日本で販売する条件を満たせない、物流費を入れると粗利が残らない、返品や日本語CSを運用できないのであれば、その商品は進出初期の候補から外れることがあります。市場調査と販売準備を完全に分けず、主力候補SKUについては表示・規制、輸入方法、国際送料、国内配送、返品、決済手数料まで概算します。
法人設立や在留資格など拠点設立の論点が必要になった場合は、JETROの対日投資・ビジネススターターガイドなど一次情報で確認します。一方、初期の市場テストでは会社設立の有無を先に決めるのではなく、どの販売主体と物流スキームで検証するかを分けて考える方が、調査と実行をつなげやすくなります。
最後は小さな販売テストで仮説を確かめる
公開情報や競合調査だけでは、購入率、問い合わせ内容、サイズ不安、返品理由、実際の粗利までは確定できません。机上調査で候補を絞った後は、規模を小さくして実際の反応を取ります。
- 01仮説を作る
公開統計、検索、競合、価格、レビューから、売る商品・顧客・価格・販路の仮説を置く。
- 02反応を取る
日本向け商品ページ、UGC、商談、POP UPなどで、クリック・問い合わせ・試着・比較理由など購入前の反応を確認する。
- 03購入データで判断する
小規模なEC・卸・POP UPで購入、粗利、問い合わせ、返品を確認し、次に広げる商品と販路を決める。
テスト結果は、売上だけで判断しません。商品ページ閲覧から購入までの離脱、問い合わせ、レビュー、返品理由、チャネル別粗利などを残すと、商品・価格・販路のどこを直すべきか判断できます。
市場調査で残すのは、情報ではなく判断シート
調査結果は資料を厚くするより、次の判断に必要な項目を1枚へ集約します。未確定事項には「追加で何を確認するか」と担当を置き、調査だけが長期化しない状態にします。
- 日本で最初に売るSKU
- 想定顧客と具体的な購入場面
- 主要競合と日本での価格帯
- レビューから見える購入理由と不安
- 最初に使う販売チャネル
- 規制・表示・輸入・物流の確認状況
- 概算粗利と必要な販売量
- 次に実施する販売テストと見るKPI
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